2011年07月10日

返却ではありません。飼育放棄です

少し前に、他の人経由で

センターから譲渡されたちひろママが、

また捨てられました。


(ちひろママ→こちら




たまたま現場に居合わせて、

捨てに来たご夫婦と話もしました。




「鳴きっぱなしでうるさい。眠れない。

    もうたくさんだ。返します。」




「返す」?

いいえ、それは「返す」とは言いません。

立派な「飼育放棄」です。




だって、自分の意思で、

わざわざ譲り受けて

飼い主になったのですから。





そのご夫婦は、自分たちの飼い猫を

「殺処分が行われている自治体の

愛護センターに持ち込んだ」

ことになります。




それを「返す」などという

安易な言葉で言うこと自体に、

違和感を感じました。




「センターの子は処分されてしまうから

       かわいそう。助けたい。」



優しい気持ちでセンターの犬猫を

迎え入れて下さる方がいることは、

とてもありがたいことです。





でも「迎え入れる」のは、

その時だけのこと。

言い方が悪いかもしれませんが、

ちょっと勇気を出せば、

意外と容易にできることかも知れません。




「良かったね〜。助けに来たよ。

これで安心だよ。

あ〜私、いいことしたな〜。

きっとキミも感謝してくれるよね?」




それで物語はハッピーエンド?

いえいえ、違いますよね。




優しい気持ちの真価が問われるのは、

そこから先。




辛い経験をしたり、

人間不信になっているかもしれない犬猫と、

「家族になっていく」ための、

工夫、努力、忍耐・・・。

先住犬猫との橋渡し。



すんなりいく場合もありますが、

かなり頑張らなくてはいけない場合もあります。



犬や猫という動物について、

ちゃんと勉強する必要が

出てくるかも知れません。




センターの犬猫に限らず、

新しい犬猫を迎え入れる場合、

愛情+αが必ず必要になってきます。



時間が必要な場合もあります。

慌てずじっくり取り組んで、

堅い結び目をほどくように気持ちをほぐし、

信頼を勝ち得、

少しずつ家族の絆を作っていかなくては

ならないかも知れません。




でも、頑張れば頑張っただけ、

動物は何かを感じ取り、

返してくれます。




苦労しつつも、

気が付いたら家族の絆ができていた!

なんてこともあります。



そういう絆は間違いなく

「ぶっとい」です!




「飼い主」として、

やれるべきことは全部やって、

ある程度勉強もして、

そしてその努力の先に、

はじめて「家族になった」という

ハッピーエンドが訪れます。




もちろんこちらが与えるばかりではなく、

与えてもらうかけがえのない物があることにも、

ここまでくれば気付くことができるでしょう。





ちひろママを放棄したご夫婦は、

ちひろママに避妊手術をしていませんでした。

避妊は譲渡の条件だったはずなのに…。





避妊手術をしないまま

「さかりがついて鳴いてうるさい!」

はないでしょう。



「手術をしたらどうですか?」

と言ってみましたが、

「いや、もういい!」





人のアドバイスを受け入れにくくなったり、

相手(=犬猫)にばかり

こちらの都合を要求したり、

柔軟性がなくなってくるお年頃は、

誰にでも必ずやってきます。




それは仕方のないことですが、

ペットの命に直結するようでは困ります。



ご夫婦は何度も言いました。

「それで、あれでしょ?

ここに連れてくれば

また飼い主探してもらえるんでしょ?」





「鳴きっぱなしでうるさい。

眠れない。もうたくさんだ。」

という理由で放棄された猫を

再譲渡してくれるほど、

世の中甘くありません。




どこまで都合が良いのかな、

とさすがに絶句しました。




自分たちでは、

もらってくれる人を探しもせずに…。




ちなみに

ちひろママは、実はとっても良い子です。


センターではいつもおとなしく一人で過ごし、

へそ天で甘えてくれていました。



評判の人気者でした。

同室の別ケージに

未去勢のオスがいたりもしましたが、

鳴きどおしでうるさいところなんか、

誰も一度も見ていません。



ご夫婦が、唯一ちひろママにしてあげたことは、

命に関わるような悪いレッテルを貼ったこと。



飼い主としてやるべきことは

何一つしないままに。




でもうっかりしたら、

自分もそうなってしまう可能性は、

誰にでもあります。




犬猫の命を引き受ける限りは、

相応の覚悟を持つこと、

簡単に諦めないこと、

自分ひとりで抱え込まず相談してみること、





いろいろな方法を試してみること、

前の犬猫と比べないこと。



「返す」ことができないセンターから

犬猫を迎え入れる場合は、

特に心して欲しいと思います。


tihiro16.jpg

tihiro15.jpg


センターに戻ってきたちひろママ。

現在、センターの猫の収容頭数は

60匹を超えています。



収容する為のケージがいっぱいで、

小さいケースしか空きがなく、

こんな小さな所に入れられました。
posted by ココニャンママ at 03:17| Comment(10) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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