2013年02月19日

水頭症の柴犬、パリスの件

飼育放棄された柴のパリスの件です。

パリスの詳細ページはこちらになります→こちら

元飼い主さんの申告だと「てんかんがある」との事でしたが、

センターでは倒れたり、グルグルと勢いよく回転したりなどの

発作は出ていません。



入院させて、CT検査も行ないました。


CTの結果

・パリスの脳のまわりにはほとんど脳髄液があり、

脳みそが薄い状態である。

おそらく先天性のものであろう。



入院中の様子

・ずーっとぼーっとした状態で過ごしている。


・脳が未発達なため、食べたい、楽しい、

という部分が欠落している様子。


・鼻はきいていて、匂いとりはしているが、

くんくんしているうちに

脳が興奮状態になりくるくるまわりだす。



・体を拘束されたり(長時間の抱っこ)や

投薬等で無理やり口をあけるなどをすると、

不快な感情をだし、イヤイヤとパニックになる。



・入院中は発作はおきていない。




今後について


・外科的処置を施して、髄液を抜いても

症状が顕著に改善されるとは考えにくい。



・水を抜くことで脳圧が下がり

脳ヘルニアを起こすかもしれないし、

少しずつ水を抜くしかない。



・病状が進行すればてんかん発作もおこすだろう。



・現段階でパリスが

つらい痛みがあるという状況ではなく、

内臓もしっかりしているが、食が細いため 

自然にに衰弱していく可能性はある。




患者さんの犬なら(飼い主さんの居る犬なら)

穏やかに過ごさせてあげてください、

と伝える。との事でした。




ただ、パリスには飼い主さんが居ません。

この状態で飼い主さんが決まるでしょうか?

リスクを承知で引き受けて下さる方おりますか?




現在は、ご飯をちょっと食べ、

排泄は自分で行ない、発作もないので、

手はかかりません。



ただ今後、パリスがどうなるか分からないです。



この状態で生きていることが

本当にパリスのためなのか、それも分かりません。

ずっと考えているのですが、答えは出ません。

そもそも、正しい答えは無いですよね・・




パリスは、人に撫でられれば顔を摺り寄せ、

感情は乏しいけれども、それでも彼女なりに

精一杯喜びを表現しているように思います。


DSC00959.JPG

もし、私が飼っている犬が同じ状態だったら、

今は安楽死する時期では無いと思いますが、

パリスは飼い主さんの居ない犬なので、

どうすることが良い事なのかが分からないのです。


DSC00960.JPG

もし新しい飼い主さんが決まったとしても、

パリスが穏やかに余生を暮らすことができなくなった場合は、

その時に安楽死も考えないとならないかもしれません。

それは、里親さんの精神的負担にもなります。




また、飼い主さんの居ないパリスに

医療費をかけることで、

ほかの救える命に影響が出ると思います。




ただ、きっとこのように書くと、

「パリスに使って・・」と、

ご支援が集まるかもしれません。




しかし、交通事故の怪我などと違って、

脳障害は医療費をかけて治療したからといって、

思ったほど改善する事もなかったり、

思っている以上の速度で症状が進行し、

あっという間に亡くなってしまう事もあります。




それでも、全てを承知して家族に迎えてくださる方がいれば、

治療するのも良いと思いますが、

正直なところ、交通事故で怪我で収容されたり、

老齢で収容されたり・・という子よりも、

一番ハードルが高い(家族に迎えて下さる方が現れない)のは、

脳障害の子だと思います。





こうやって文章を打っていても、うまく伝えられず、

パリスにも申し訳ない気持ちなのですが、




お金を渋っている訳ではなく、

だるく具合が悪いのか、ただボーっとしているのか

分かりませんが、24時間のほとんどを

丸くなって寝ているパリスを、

それほど改善が見られないだろうと予想されている治療をして、




センターに収容しておいてもらえる、

ギリギリの所までセンターに置いてもらって、

(収容状況にもよりますが、おそらく最長でも3月31日です)



それでも希望者様が現れずに、殺処分になるのは、

パリスの為なんだろうか?





そして、他の収容されている犬猫達への影響も考えると、

本当にどうしたら良いのか考えてしまいます。




全てを承知して、家族に迎えてくださる方が現れれば、

丸くおさまるのかもしれませんが・・・・



ただ、パリスの未来を案じて、

涙涙で毎日を過ごしてしまうような方には、

心労がかかりすぎてしまうと思います。




いつも寝てばかりのパリスでも、

撫でたら、すり寄って喜んでくれるのよ♪

と、感じて下さる方が良いかと思います。




どの子もみんな助けてあげたいけれども、

飼い主さんの居ない子達の全体を考えると、

簡単に結論が出ない事もありますね。



長々すみません。


byココニャンママ


posted by ココニャンママ at 12:50| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
久々のコメント。
水頭症の文字を見たときナナと一時一緒に
飼っていた
ポメラニアンを思い出しました。
高齢になってからですが急に動けなくなったり
ふらふらしたりクルクル回ったり・・
水が動くとそのような症状になったりするとか?
てんかんのおそれもありその時は、びっくり!!するかもしれませんがあせらないで・・・といわれました。大きな病院での検査や入院。高齢犬のため近所の病院に変えました。墨からできているくろーい薬を飲み脳の水をおしっこから出す。そんな原理のようです。
かなり回復しましたよ^^
先天性のものにはわかりませんが参考まで・・・
最後は老衰でしたが、なにか良い方法ないかなぁ〜〜〜
Posted by なら at 2013年02月19日 21:53
悲しいですね(/_;)
残された選択肢は殺処分しかないのでしょうか?
今日は殺処分当日(>_<) この子の運命はもう決まっているかと思うと胸が締めつけられそうです(-_-;)
Posted by maron at 2013年02月20日 10:49
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